令和8年8月8日、末広がりのよき日。城端別院善徳寺の庫裏に、南砺の土と人がつながって生まれた一本の酒が披露された。その名も「TSUCHIKARA(ツチカラ)」。

きっかけは、ひとつの問いから始まった
きっかけは、南砺市で堆肥を製造している株式会社ツチカラ 山﨑佑二郎さんのひとつの問いでした。
「近年、活用されなくなってきた酒粕を堆肥にできないか。」
酒粕から堆肥をつくり、その堆肥で酒米を育て、酒米はまた酒になる。そして酒造りで生まれる酒粕も、また土へ還る。
そんな循環を思い描き、五箇山に蔵を構える三笑楽酒造 山崎英博さんに想いを届けたところ「おもしろそう」と共感を得て、お酒のプロジェクトが始動しました。
豪雪に耐えるため、そして人の営みによって受け継がれてきた合掌造り。その屋根を葺く茅は、数十年に一度、葺き替えられる。役目を終えた古茅は、酒粕や米糠とともに土へ還り、酒米となり、酒となり、また土へ。そんな里山の循環に、酒蔵と農家、そしてツチカラが手を結んで生まれたのがお酒「TSUCHIKARA」です。
堆肥は、お福わけ農園の田んぼへ。お福わけ農園の八田慎一郎さんが、有機での酒米・山田錦づくりに挑む。育った酒米を三笑楽酒造が醸し、酒造りで生まれた酒粕もまた、土へと還っていく。地域にあるものが、土になり、米になり、酒になり、また土へ還っていく。「TSUCHIKARA」は、そんな循環がひと巡りしてかたちになった南砺にしかない特別な日本酒です。
お披露目会の様子
会場となった善徳寺の庫裏には、田中幹夫市長をはじめ、行政・報道関係者、そしてプロジェクトに関わる多くの人が集まりました。

田中市長による祝辞に始まり、「TSUCHIKARA」の発表と除幕。三者それぞれによる取り組みの紹介、誕生までの歩みを追った映像上映が続き、会場は温かな拍手に包まれました。

乾杯の音頭を取った大福寺住職の太田浩史さんは、こんな言葉を口にしました。
「ぜひ、このお酒を交わして、悟ってほしい。」
三者の想いが宿った酒を、参加者同士で交わし、味わい、語り合う。
そこからまた新しい気づきや出会いが生まれていく。
それもまた、「TSUCHIKARA」がもたらすもうひとつの循環なのかもしれません。
この日、司会進行役を務めたのは、プロジェクトの立ち上げ当初から深く関わった地域おこし協力隊有機農業担当の石黒優樹さん。準備段階から当日の運営まで支え、三者の出会いから「TSUCHIKARA」が形になっていく過程を見届けてきた立場から、いろんな人の手と想いがつながり生まれた一本を、こうして皆さまとお披露目できたことへの感謝を語りました。
循環がつなぐ、これからの南砺
お披露目会は、北日本新聞、富山新聞にも取り上げられ、南砺市の有機農業と地域内循環の取り組みを、より多くの人に知ってもらうきっかけとなりました。
土から生まれ、土へ還る。その営みの先に、また新しい循環が生まれるかもしれません。

「TSUCHIKARA」は、720ml入りで限定1,500本を醸造され、県内の酒専門店などに販売されています。なお、道の駅福光でも販売されましたが、現在は完売御礼となっています。
そのほかの三笑楽のお酒は「南砺の逸品」でも購入可能です。詳しくはコチラ。
協力:南砺市地域おこし協力隊 有機農業担当 石黒優樹
文:南砺市地域おこし協力隊 地域資源活用担当 奥崎将大
