「越中の小京都」と呼ばれる、南砺市 城端(じょうはな)地区は、古い町家づくりの建物や小路が残る、風情漂う小さなまちです。まち歩きを楽しんでいると、至るところに在るお菓子屋さんが目にとまります。まちの規模に対して、お菓子屋さんの数が多いのがこのまちの特徴です。そんな城端の菓子店の一つ、「ANGO安居」さん。店内には和菓子から洋菓子まで幅広い商品が並び、カフェスペースもあるので、散策中に立ち寄りほっと一休みできるお店です。
地元で人気なANGO安居さんの商品といえば、「もちフィナンシェ」。モチっとした食感は、一度食べると癖になる味です。今回、ANGO安居さんを訪れ、店主の安居範光さんに製造行程を見せてもらいました。
「もちフィナンシェ」は、「フィナンシェ」と「餅」の2層仕立ての生地で作られています。まず、餅の生地を型に流し入れていきます。その後、アーモンドパウダーと焦がしバターがたっぷり入ったフィナンシェ生地を上から流し入れ、オーブンで焼き上げます。焼き上がったフィナンシェはとっても芳ばしい香り!もっちりツヤツヤの餅の層は、見た目も鮮やかで美味しそう〜。
「もちフィナンシェ」発売当初は、和の素材を中心に5種類のみでしたが、季節の風味やお子さんが好きなフルーツ味などが加わり、現在は18種類のフレーバーがあります。
「箱を開けたときに、わーっと喜んでもらいたいなぁと」
そんな安居さんの想いがカタチになり、ケースに並ぶ色鉛筆のように、鮮やかな色のもちフィナンシェの種類が増えていきました。
「フィナンシェ」は、フランス語で「金融家・お金持ち」という意味があります。だから、フィナンシェの形は台形型をした金塊に似ているそうです。安居さんのもちフィナンシェは、細長くて多様な色彩なので、クレヨンや色鉛筆にも見えてきます。
和菓子では定番の「餅」と洋菓子の「フィナンシェ」を重ねる。「この斬新な食感のアイデアはどこから思いついたのですか?」と尋ねたところ、「うちはもともと和菓子屋さんだったので、和と洋の要素をお菓子に取り入れたくて」と、安居さん。
「ANGO安居」さんは、明治42年に和菓子屋さんとして創業された老舗店。初代店主が、東京「とらや」の職人から基本配合を教わり、「よかろう、んまかろう、安かろう」をモットーに作り出した「虎満喜」は、名誉総裁賞を受賞した銘菓です。黒糖を加えたこだわりのある餡に、生地を巻いたお菓子は虎の巻(巻物)をイメージした筒状の形をしています。昔ながらの製法で作るコクのある餡は、有名な陶芸作家・河井寛次郎も好んだ味だったそうです。
4代目の安居範光さんは、 県内外で洋菓子を学んだ後、地元(城端)に戻り、新しいお菓子の開発に取り組まれました。
「いわゆる定番のお菓子ではなく、オリジナルで、オンリーワンのお菓子を作りたい」と、試行錯誤を繰り返された結果、お店の歴史を物語る「和」と「洋」を組み合わせたお菓子が、今の当店(ANGO安居)らしい一品になると思いつき、和の餅と洋の素材が融合する「もちフィナンシェ」が生まれたそうです。
「これからもまた、オリジナリティー溢れる新しいお菓子を作っていきたい」と、頭の中にある新商品の構想についても、ワクワクした表情でお話をしてくださいました。ANGO安居さんらしい、新しいお菓子がもうすぐ生まれるかも?新商品も楽しみです。
☆☆「もちフィナンシェ」お薦めの食べ方☆☆
和(餅)と洋(フィナンシェ)が融合したお菓子なので、緑茶やほうじ茶、コーヒーや紅茶など、どの飲み物にも合います。お好みでほんの少しだけレンジで温めると、もっちりした食感がUPします。
桃・苺(ピンク)、ラムネ(ブルー)、キャラメル・栗・きなこ(茶色)、かぼちゃ(黄)、ココナッツ(白)など種類が豊富なので、その日の気分で色や味を選んでみるのもいいですね。
私は2月に(立春が過ぎたけど雪が降る日)春の気配を感じたくて、芽吹きの色を選んでコーヒータイムを楽しみました。
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【ANGO安居】
〒939-1853 富山県南砺市城端70 TEL: 0763-62-0115
営業時間 10:00〜19:00(月曜 定休日 )