合掌造り集落が有名な五箇山地域。山々に囲まれた自然豊かなこの地域で、草木茶「五箇山の弘法茶」を作っている生産者に会いに行ってきました。
その草木茶は地元で、「弘法茶」や「じゃんじゃんぼう」と呼ばれています。
個人的に「じゃんじゃんぼう」という語呂のいいネーミングが好きで、地元の商店で見つけたらよく買って飲んでいます。草木茶のなかでも、クセがなく、ほんのり甘い風味はお菓子との相性も良く飲みやすいお茶です。
「五箇山の庄川沿いにたくさん自生していたので、昔から五箇山のおばあちゃんたちが愛飲していたお茶なんですよ」と、草木茶の生産者・浦田夏子さんが教えてくれました。
「これは、10月(1ヶ月前)に収穫して、乾燥させたものです」と草木茶の材料であるカワラケツメイを見せてくれました。浦田さんは、ご自宅前の畑で、カワラケツメイを栽培され、お茶を製造されています。
「弘法大師が全国を行脚した際に伝えたお茶といわれることから弘法茶と言われるそうです」
では、じゃんじゃんぼうという呼び名は?
「カワラケツメイを炒る時に、豆が“じゃんじゃん”はじけるので、地元のおばあちゃんたちがそう呼ぶようになったみたいです」と教えてくれました。
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カワラケツメイの種を蒔く(5〜6月)
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収穫(9〜10月)
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収穫した草木を洗い、乾燥させ、細かく裁断
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焙煎
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ティーバックに入れ包装
地元のおばあちゃんたちは、カワラケツメイを土瓶で煮出してお茶を入れます。ですが、若い世代の方には、「煮出して飲む」という行為が少し面倒に感じてしまうものです。商品化に際してティーバックでお湯を注ぐだけで手軽に飲める加工にこだわり、焙煎の工程は技術を持った専門の工場にお願いしているとのこと。
そもそも、浦田さんがこの草木茶を作ることになったきっかけは、カワラケツメイが昔から健康茶として地元のおばあちゃんたちに親しまれていたことを知り、身近にある野草に目を向けると、カラダが元気になる要素がたくさんあるということに気がついたことから。
そんな自然の恵みを日々の暮らしに取り入れると、生活が豊かになるということを、都会に暮らしている人たちにも伝えたい。そんな想いのもと、若い人にも草木茶を手にとってもらえるよう、飲みやすくする製造加工やパッケージデザインにもこだわったそうです。
五箇山の自然や文化に魅せられて、浦田さんは8年前に東京から五箇山にご家族で移住。少しずつ手を加えて改装した古民家(ご自宅)前の畑で、カワラケツメイだけでなく、大根やカブ、さつまいもや菊芋、他種の作物やハーブを育てられています。
「東京の生活では実現できなかった、季節ごとの自然の恵みをいただく五箇山の暮らしは、やることがたくさんありますがとても充実しています」と笑顔の浦田さん。
「家の前に、泉があるんですよ」と、湧き水で作ったカワラケツメイのお茶を入れてくれました。
五箇山の自然と共にある暮らしを、とても愛おしそうに話してくれる浦田さん。
自然の恵みである草木茶をおいしく作るために、植物にある生命力が最良の時期に(カワラケツメイの種が弾ける前)、命をいただく感謝の気持ちをもって収穫されているそう。
心をこめて丁寧に作られている「五箇山の弘法茶」。
飲むと山の自然の力をいただくような気持ちになります。
五箇山のおばあちゃんたちが元気なのは、日々の暮らしの中であたりまえのように、草木茶など山の恵みを取り入れているからなんだなぁ、とあらためて感じました。
☆☆ 五箇山の弘法茶 おいしい飲み方 ☆☆
*あまりクセがなく、ほんのりした甘みがあり飲みやすいので、和菓子や、洋菓子にも合います。
*地元のおばあちゃんたちは、ブレンド茶を楽しんでいるそう。麦茶、ほうじ茶、ヨモギなどとブレンドして飲むのもおすすめ。
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