関西出身の私が富山県・南砺に来て、初めて出会った冬しか食べられない「白い」郷土料理。初めて目にしたその料理をひと切れ食べてみたら、口の中にふわっと広がるやさしい甘みと酸味、そして何とも言えない旨味が印象的で、それからすっかり大好物になってしまいました。
その料理とは、「かぶら寿し」です。石川県、富山県西部などの地域で馴染み深い冬の郷土料理で、塩漬けしたかぶらとブリやサバの魚、昆布と人参を挟んで、米糀に漬けこんだ「発酵食品」です。
今回訪れた生産者さんは、南砺の「かぶら寿し」メーカーとして人気が高い「ヨネダ」さん。かぶら寿しは冬限定の商品なのですが、年間を通して食べることができる米糀の発酵食品「サバと紅芯大根の糀漬け」を作っていらっしゃいます。
「かぶら寿し」の色は白ですが、「サバと紅芯大根の糀漬け」は鮮やかなピンク色をしています。これは紅芯大根の天然の色です。
「やる気のある地元の生産者さんと一緒に商品開発を進めたんです」と、株式会社ヨネダの社長 米田数彦さん。生産者さんが持ってこられたのが、南砺の土で育った紅芯大根。試作を繰り返したところ、甘味があり、冷凍保存しても味が落ちず歯ごたえのある特性を発見。かぶら寿しの製法技術を活かして、米糀とサバで漬け込み、年間を通して食べられる米糀の発酵食品を開発されました。
「南砺で作られた質の良いモノを、都会の人にも食べてもらいたい」と米田社長。都会の人に手に取ってもらえるようにデザインを刷新したり、食卓にすぐ並べて食べてもらえる容量サイズにするなど、パッケージにも改良を重ねてこられました。買ってもらう人のことを考えて商品づくりに精を出されている様子がお話の節々で伺えました。
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お皿に盛るとキレイなピンク色に見とれてしまいます。食べてみると、紅芯大根とサバが米糀によってまろやかな風味となり、やさしい甘味と酸味、そして旨味の3拍子が絶妙に調和し口の中に広がります。朝ごはんに一品添えると、白いご飯と相性抜群!箸が進みます。
豊かな旨味とやさしい甘み&酸味は、米糀を使った発酵食品の特徴です。砺波平野の南端にある南砺は、加賀藩の領地の中でも米主産地であった古くからの「米どころ」。米糀をふんだんに使った発酵食品が日常にあるのも、南砺ならでの食文化と言えます。
米糀の発酵食品にはブドウ糖やアミノ酸、ビタミンなど豊富な栄養素が含まれているので、免疫力を上げ抵抗力をつけるとも言われています。「米糀の発酵食品を日常に食べていれば、栄養ドリンクもいらないですよ。体に良いモノは美味しいんです!」と米田社長。
一年を通して食べられる旨味たっぷりの発酵食品、ぜひ食卓の一品に加えてみてはいかがでしょうか。朝ごはんに加えると、一日の活力になること間違いなし☆彡
☆☆ ヨネダさんからの一口メモ ☆☆
[食べ方]自然解凍してお召し上がりください。米糀は水洗いせず、そのまま食べられます。
[お薦め]ご飯のお供に、またはお茶請けにも◎ お酒のあてに、同じ米糀で作られた日本酒にはもちろん、白ワインとも相性が良いですよ。
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